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番外札所

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散華 〜 美しく生きる 〜

同じ仏教でも宗派によって大切にしている経典は異なるが、世間一般で人気が高いのは「般若心経」と「法華経」だろう。お遍路では何と言っても「般若心経」が重要だが、法華懺法とはあまり関係がなさそうだ。

「法華経」は「妙法蓮華経」の略だ。蓮華の名前がついているのは、蓮が「悟り」の象徴とされるからだ。蓮の花は、泥の中から成長し一点の穢れもない花を咲かせる。すなわち、苦しみの世界であるこの世の中にあって、穢れることなき美しい花を咲かせよ、と。

「法華懺法」の「散華」の詩の詳しい意味はよくわからないが、「蓮の花のように私も美しく生きていく」という信念を表明している部分だと思われる。仏教では、悟りの道を進む決意を「菩提心」と呼び、その決意を立てることを「発(ほつ)菩提心」という。散華はまさにこの「発菩提心」を歌ったものであろう。

ちなみに法華経の中でも一番人気がある部分は、第22章、通称「観音経」だ。観音様といえば東京では浅草寺。浅草寺に行くと朝昼夕の定時法要で、実際に観音経を聞くことができる。浅草寺本堂の天井には中央に龍、両脇に天人が描かれていて、二人の天人は蓮の花に囲まれ優雅に空を舞っている。参拝客に向けて幸せの花びらを振りまいているように見え、何とも美しい「散華」の光景だ。

浅草寺の朝の法要では「敬礼段」も聞くことができる。大津への0泊2日弾丸ツアーを開催した何年か後にそのことを知り、わざわざ大津まで行かなくても浅草で聴けるのか、と愕然としたのだった。まあもちろん、園城寺やその周辺の雰囲気を肌で感じてくることには大きな意味があったろうが。

by npapapapa | 2019-05-10 10:08 | 合唱