2014年 03月 09日
4. 昼食
11時半、内宮前バス停着。
混み合う前に昼食をとる。 土曜日ということで、 内宮への参道「おはらい町通り」には人がごった返していた。 しゃれた和食店を見つけて入る。 注文を終えた後、私はさきほどのムカムカについて考えた。 ではもし、あれらの宝物が一切無かったら...? それはそれで、ひとつの自然崇拝の姿としておかしくないように思えた。 ただシンプルに自然を崇め、自然とともに生きる。 凝ったものは作らない。 食べ物も、狩猟・採取・栽培して極簡単な調理だけにとどめる。 仙人のようにあるがままに自然の中に身を委ねて生きる。 そういう生き方もあると思うし、実践している人もいるだろう。 では自分はそうしたいか? 多くの日本人はこれまでそうしてきたか? 否。 職人も料理人もみな、訓練して腕を磨き、 より美しいもの、人を感動させるものを追求する、 それこそが日本人が目指してきた、人間らしい活動ではないか。 豊受大御神は、天照大御神の食事を司る神様だが、 同時に衣食住の神様であり、産業の神様だという。 あの美しい神宝たちは、単に神様を喜ばせるための玩具ではない。 あれら神宝そのもの、そこに凝縮された技術と時間と思い、 美しいものを生み出す活動を尊重するということ、 それらこそが豊受大御神が象徴するものではないか。 先ほど列挙した二物対比で、ひとつ重要なものが抜けていた。 「自然と人間」だ。 四季を愛で、自然を敬い、その偉大さを十分に理解した上で、 人の手を存分に加え、技術を磨き、人間的な活動を輝かせる。 自然と人間の絶妙なバランス感覚を保つこと、それを重んじることが 日本人が選択した「人間らしい生き方」であり、 日本人の素晴らしさではないか。 料理が運ばれてきた。 素材を大切にしながらも料理人の技術が光り、 目にも楽しく、味も良かった。
by npapapapa
| 2014-03-09 20:26
| 旅
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